安藤裕康

国際交流基金 理事長

国際舞台芸術ミーティング in 横浜(TPAM)の季節となりました。常日頃から関心を寄せてくださる国内外の皆様に心から感謝します。

TPAM2015より国際交流基金アジアセンターが主催団体の一つとして加わり、アジア・フォーカスが始まりました。今回で4度目となりますが、TPAMがアジアにおける最も重要な同時代舞台芸術のプラットフォームのひとつとして機能し、TPAMでの上演をきっかけにアジアの作品が世界に招へいされ、さらには新規共同制作企画やネットワークが立ち上がりつつあることを、大変喜ばしく感じております。

今年も日本、シンガポール、フィリピン、ベトナム、韓国などのアーティストの作品が取り上げられ、多様な公演プログラムを展開します。また、ネットワーク形成・拡充・協働のためのミーティングもさらに充実したものとなります。そして国際交流基金アジアセンターは今回も、アジアにおける協働をめざし、アジアを中心に世界から40名ほどのプレゼンターを招く予定です。

今後TPAMが舞台芸術における新しい価値の創出の場としてさらなる発展を遂げ、全世界の舞台芸術の担い手の間で広く共有されることを願ってやみません。

 

Hiroyasu Ando

 

小枝至

公益財団法人神奈川芸術文化財団 理事長

私たちが主催団体として参画する「国際舞台芸術ミーティング」が横浜で開催されるようになり、今回で8回目となりました。改めて、この催事を支えて下さる多くの皆さまのご尽力に深く感謝申し上げます。

「TPAMディレクション」では、KAAT神奈川芸術劇場の舞台機構を活用した梅田哲也の作品『インターンシップ』をはじめ、アジアの気鋭のアーティスト達が同時代の舞台芸術の可能性を再考いたします。今年度も当劇場では創造型劇場としての特性を活かし、全施設を会場として提供すると共にアーティストの創造を最大限にバックアップし、この催事に取り組んでおります。

「芸術の創造、人材の育成、賑わいの創出」というミッションを掲げる当劇場も、引き続き、芸術文化を支える一翼を担っていけるように邁進してまいります。また、この催事が参加される皆様の芸術文化との新たな出会いと交流の場になることを心より願っております。

 

Itaru Koeda

 

澄川喜一

公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 理事長

横浜は常に「新しいもの」を生み出す風土があり、アートの実験的な試みの機会を提供し、その価値を世界に発信していく街です。様々な芸術文化事業を通じて、豊かで魅力的な横浜の街づくりに取り組んでいる私ども財団が、今年も国際舞台芸術ミーティング in 横浜(TPAM)に主催者として参画し、舞台芸術の国際的なプラットフォーム形成の一端を担うことができることを大変嬉しく思います。

横浜で8回目の開催となる今年も、国内外から舞台芸術のプロフェッショナルが集結し、多様なプログラムが行われるとともに、「横浜ダンスコレクション」や「ヨコハマアートサイト」がTPAMと連携します。また、2018年は「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018」の開催も予定されているため、多くの市民がパフォーミング・アーツを身近に感じる年となることでしょう。今回もTPAMが舞台芸術に関わる様々な人々をつなぎ、新たな可能性を拓く場となることを期待いたします。

 

Kiichi Sumikawa

 

丸岡ひろみ

国際舞台芸術ミーティング in 横浜 ディレクター
PARC – 国際舞台芸術交流センター 理事長

TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜は、交流プログラム「TPAMエクスチェンジ」、主催公演プログラム「TPAMディレクション」、公募公演プログラム「TPAMフリンジ」の3つで構成される、プロフェッショナルの国際的ネットワーキングを主眼とした、同時代の舞台芸術のためのプラットフォームです。

プログラムの詳細は各ページに譲りますが、今回のTPAMディレクションには、舞台芸術とは異なる分野で活躍している芸術家が舞台芸術にあえて取り組んだ作品、舞台芸術の文脈で紹介し得る興味深い異分野の作品、あるいはレクチャーパフォーマンス、キュレーションされた対談などが並んでいます。近年、各地の代表的な芸術祭、あるいは劇場や美術館などの芸術文化施設が、その従来の専門分野を逸脱した委嘱や作品紹介を行なう傾向にあるのは、芸術がどう社会と新たに関係を結び得るのかという問いをめぐる模索のように見えます。そのことはまた、従来の境界が恐るべき速さで消滅し、恐るべき速さで新たな境界が誕生するという、この同時代のめまぐるしい現実を反映しているのではないかとも思います。

2015年に開始し今回で4年目を迎えるアジア・フォーカスは、折り返し地点を迎えているように思います。東京オリンピックの2020年を境とし、その後どのようにTPAMを継続可能なプラットフォームにしていくかが私たちの課題の一つになっています。個人的には、単独的キュレーションが複数集まる本プラットフォームの発展形としてのフリンジ的プラットフォームに大きな可能性を感じています。

今回も上演、鑑賞、参加を通した交流が皆様にとって得難い体験となるよう心より願っております。参加者の皆様、関係者の皆様の変わらぬご支援に厚く御礼申し上げます。

 

Hiromi Maruoka