13日[火] 10:00〜11:30 / 東京国際フォーラム ホール D1
ディレクター:内野 儀[演劇批評家] |
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公的助成金の整備にともない、近年、日本の現代演劇はきわめて多彩な展開を見せている。一体何が起きているのか?新国立劇場でのオーソドックスな演劇から、小さな劇場で行われる若手の演劇まで。それらはどれも、ひどく「閉じている」ようでもあり、実は「開かれている」ようでもある。ここでは、日本の現代演劇の同時代的特質につき、特にいわゆる小劇場演劇と呼ばれるジャンルを中心に、「J」(ジャパンとジャンクの「J」)という概念を使いながら、簡単なマッピングを試みることにしたい。
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紹介カンパニー |
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© 飯田研紀/ STスポット |
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チェルフィッチュ/Chelfitsch
全作品の脚本と演出を担当する岡田利規の演劇ユニット。1997年の旗揚げ以降、横浜を拠点に活動を続ける。超リアルな日本語によるせりふと、それを話す際の日常的でだらしない身体性で注目される。今年2月、『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞受賞。また7月には「トヨタコレオグラフィーアワード2005」最終審査会にも出場。
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ARICA/アリカ
演出家の藤田康城、俳優・安藤朋子、プロデューサー・前田圭蔵が中心となり2001年に結成したシアター・ユニット。音楽家・猿山修、詩人・写真批評の倉石信乃、グラフィックデザイナー・山口信博、テキスタイルデザイナー安東陽子など各分野で実績のあるアーティストが参加し、一般的な「演劇」の枠を越えた新しい舞台芸術を創造。大きな話題を呼んでいる。
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イマージュオペラ/Image Opera
舞踏家の脇川海里を主宰とし、デザイナー・構成作家の綾原江里、ダンサーの野沢英代、相良ゆみらによって推進される上演芸術運動体。2003年、ハイナー・ミュラー国際演劇祭(東京)参加を契機に発足した。舞台空間を、様々な標(言語/舞踊etc.)が折衝・混淆する場所としてとらえ、より総合的かつ根源的な時空間の創造を目指している。
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『愛の渦』 |
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ポツドール/Potudo-ru
96年12月、早稲田大学演劇倶楽部10期生の三浦大輔を中心に結成された演劇ユニット。過剰すぎるほどに「リアル」にこだわった作品づくりは、観客に圧倒的な「生々しさ」と「不快感」を与え、公演の度にセンセーショナルな話題を巻き起こしている。最近では「演劇」のみならず「映像」での活動も期待されている。代表作に「騎士(ないと)クラブ」、「身体検査」など。
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『Jericho』 © 平野愛 |
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地点/Chiten
演出を専業とする代表・三浦基と、その独自の劇的世界を共に体現していく俳優・スタッフを構成メンバーとする。テキストの綿密な解釈と身体性の追求による独特の作劇が高く評価されている。代表作に『三人姉妹』(作:アントン・チェーホフ)、『Jericho』(作:松田正隆)など。2005年より拠点を京都に移転、活動を本格化。
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『トーキョー/不在/ ハムレット』 © 引地信彦 |
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遊園地再生事業団/Yuenchi Saisei Jigyo-dan
80年代半ば舞台活動を開始した宮沢章夫が、1990年『遊園地再生』という作品を上演するために組んだプロデュースユニットが、遊園地再生事業団である。第2回公演『ヒネミ』で岸田戯曲賞受賞後、本格的に活動を開始。公演ごと、作品にふさわしい俳優を募って十数本の作品を発表後、3年間を休止し、03年第二期ともいうべき新たな活動を開始した。
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『情熱』 © YUBIWA Hotel 2004 |
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指輪ホテル/YUBIWA Hotel
劇作家・演出家である羊屋白玉を核とする「作品の連続体」。劇場のみならず、クラブイベント、レストラン、テニスコートなど、さまざまな形状を持つ空間の特性を活かし、フレキシブルな作品を発表。女優のみの出演、ヌーディティやヴァイオレンス、食物に対する考察、海外公演など、ほかに類をみないインディペンデントな活動で演劇シーンを席巻中。
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● Director : UCHINO Tadashi
1957年生れ。東京大学助教授。パフォーマンス研究。著書に『メロドラマの逆襲−<私演劇>の80年代』、『メロドラマからパフォーマンスへ−20世紀アメリカ演劇論』など。「舞台芸術」、「図書新聞」、「CUT IN」等で時評・劇評を執筆。パフォーマンス研究学術誌「TDR」(MIT Press, US)のContributing Editor。
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