12日[月] 18:00〜20:00 / 丸ビルホール
ディレクター:田村光男[音楽プロデューサー] |
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東京芸術見本市2005は、会津若松で行われる「日本の音フェスティバル」と提携して展開されている。「日本の音フェスティバル」では、忘れ去られ消えようとしている日本各地の芸能や生活の音にスポットを当て、これを現代に生きる貴重な音楽生命としてとらえ直し、そこから新しい表現を紡ぎ出す事で、音楽にこめられた人間の心や生命の結晶をよみがえらせ、新たな音楽の息吹を吹き込む試みを続けている。
今年の会津若松では古い酒蔵として有名な「末廣酒造」の土間を借りて、「酒の仕込み唄」をテーマにコンサートを展開してきた。もはや南部杜氏の間にしか残っていない「仕込み唄」はかろうじて数人の杜氏たちのなかに伝えられ残されていた。仕込みの作業につれ、テンポをかえ調子を変えながら酒の熟成の過程とともに歌いつがれてきたこの唄は、生活の唄であり、労働の唄であり、米から酒へと生成してゆく生命の変遷を紡ぎ出す唄だったのである。
南部杜氏を迎えて、おおたか静流、坂田明、木乃下真市、吉野弘志、松田惺山そしてスペインから戻ったばかりのフラメンコダンサー唐橋良枝らが、それぞれの音楽スタイルを際だたせながら、西も東もなく渡り合う様を想い浮かべると、それだけで酒に酔ってしまったような夢心地の感覚におそわれる。芳醇な日本酒を口に含むがごとく、今夜のひとときを味わって頂きたいと思う。
第一部は、現代における民族楽器の可能性を探究する新世代ユニット「アラヤヴィジャナ」、第二部は「日本の音・酒蔵コンサート」という今夜の構成は東京芸術見本市の幕開けであり、日本発のソフトを日本各地に向けて、世界に向けて発信してゆこうというインターナショナル・ショーケースのオープニングでもある。新鮮でどこか懐かしいワールドミュージックとしての「日本の音の今」を満喫してください。 |
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おおたか静流/Sizzle Ohtaka[唄]
7歳よりクラシックを学び、ジャズ、民族音楽の洗礼を受ける。2002年、自作の「I remember you」でInternational Broadcasting AwardsのWorld's Best Radio and Television Advertising受賞。7月にはエストニア合唱祭に日本人及び個人で初参加、来年、エレルヘイン少女合唱団をゲストに迎えた新作『Repeat Performance 5〜Furusato』を発表。 |
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坂田 明/Akira SAKATA[アルト・サックス/クラリネット]
1945年広島県呉市生まれ。1969年、東京でグループ『細胞分裂』を結成。1972年、山下洋輔トリオに参加、1979年まで在籍。1980年よりは様々な形態のグループの結成、解体を繰り返しながらミュージック・シーンの最前線を走り続ける。現在のレギュラー・ユニットは「坂田明・mii」。昨秋、『赤とんぼ』を発表した。 |
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吉野弘志/Hiroshi YOSHINO[ウッドベース]
1955年広島市生まれ。東京芸大在学中よりジャズ・クラブに出演、坂田明、加古隆、佐藤允彦などのグループ、セッションに参加する。現在は、自己のグループ「彼岸の此岸」とソロ活動を中心に、自らの民族楽器としてとらえているウッドベースの可能性を追究すべく、各国の様々な音楽家との共演も盛んに行なっている。昨春、『on Bass』を発表した。 |
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松田惺山/Seizan MATSUDA[尺八]
竹の楽器による「バンブーオーケストラ」メンバーとして、全国各地でワークショップ、コンサート活動を展開。アメリカツアーも好評を博す。1993年より和太鼓集団「鬼太鼓座」にゲスト出演、世界ツアーを含め公演回数は1000回を越える。2001年鬼太鼓座代表に就任。ジャズピアニスト板橋文夫の「Mix DYNAMITE」にも参加し、尺八の可能性を探求している。 |
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木乃下真市/Shinichi KINOSHITA[津軽三味線]
和歌山県出身。芸人だった両親の影響で幼少の頃より民謡を覚え、10才の時、父親から三味線を習う。正調津軽三味線はもとより、伝統芸能である津軽三味線に現代的音楽をとり入れ、新しいジャンルの邦楽を追求している。エレクトリック三味線をいち早く取り入れ、ロック・ジャズ・打楽器奏者などとも共演、オリジナル創作曲も発表している。 |
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唐橋良枝/Yoshie KARAHASHI[フラメンコ]
会津若松市出身。1996年にスペインへ渡り、マドリッド在住。国内外でリサイタルを行うかたわら、数々のフェスティバルやコンテストなどにもゲスト出演している。2004年、アルフォンソ大学公認A.C.A.D.Eフラメンコ師範首席卒業。その他、日本国大使館付属マドリッド日本人学校などでフラメンコ指導にも携わっている。 |
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ALAYAVIJANA/アラヤヴィジャナ
04年にヨシダダイキチ(シタール)とU-ZAHAAN(タブラ)、ゲストヴォーカルにUAが参加したユニットとして『ALAYAVIJANA』をリリース。その後、現代における民族楽器の可能性を探求するためメンバー一新。ヨシダに加え、若手気鋭の演奏家による6人編成となる。05年には『ALAYAVIJANA II』をリリース。 |
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● Director : Mitsuo TAMURA
「山梨・アートキャンプ白州」など地域でのイヴェントのほか、ワールドミュージックの世界的祭典「ウォーマッド・フェスティバル」などの国際フェスティバルを組織。2月には「上妻宏光・鬼太鼓座」ヨーロッパ8都市ツアーをプロデュース。愛・地球博では「地球市民村」「愛・地球大交流祭」「にっぽん華座」などのプラン・プロデュース・総合演出を手がける。(株)ステーション代表取締役社長。 |
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