ダンスアーカイブボックス@TPAM2016
ユーザーとアーキビストのパフォーマンス + ダイアローグ
- プロフェッショナル¥500
- オーディエンス¥1,000
- 2.14 Sun11:00
- 1.30 Sat – 2.14 Sun11:00 – 20:00
プロフェッショナル(要TPAM参加登録) | オーディエンス |
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ダンスのアーカイブと老いを巡るシンポジウム
ダンスアーカイブボックスプロジェクトの展示
協力:公益財団法人セゾン文化財団
シンガポール国際芸術祭(SIFA)
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
保存ではなく上演を目的としたダンスアーカイブを作家自ら作るというこのプロジェクトは、もともとシンガポールの演出家 オン・ケンセンの提案を受けて、2014年に日本のコンテンポラリーダンスのアーティストと共に始まったものです。このプロジェクトは、議論を重ねアーキビスト(☆)がアーカイブボックスを作成した第一期と、ユーザー(☆☆)となるアジアのアーティス トがアーカイブボックスをもとにするパフォーマンスをシンガポールで上演した第二期から構成されました。ダンスは、瞬時に生成して消滅する、身体の動きを扱います。それ故に、ダンスのアーカイブという問いは、ダンスとその歴史は誰に属するのかとい う所有を巡る問題を投げかけてきます。私はダンス・ドラマトゥルクとしてこの行程に寄り添いましたが、日本でこのプロジェクトを上演するにあたって、過去のダンスの遺産をどう考えるかという問いを、「老いと踊り」というテーマと重ねて、新たに立て 直す必要性を感じました。そこで今回は、東南・南アジアからの若手、中堅アーティストに加え、日本の伝統芸能からも、ボック スを受け取ってパフォーマンスを行うユーザーを招いています。この度のプレゼンテーションは、アーキビストとユーザーのパフ ォーマンス+ダイアローグ、ダンスアーカイブボックスプロジェクトの展示、ダンスのアーカイブと老いを巡るシンポジウムの三部から、構成されます。 ☆アーキビストとは、自らの作品をアーカイブし、アーカイブボックスを作った人で、第一期では伊藤千枝、黒田育世、白井 剛、鈴木ユキオ、手塚夏子、矢内原美邦、山下残の七人。 ☆☆ユーザーとは、アーカイブボックスを受け取りパフォーマンスを行った人で、第二期ではラニ・ナイル、パドミニ・チェター 、チェイ・チャンケトヤ、プリティ・アトレーヤ、ヴェヌーリ・ペレラ、マーギー・メドリン、マンディープ・ライキーの七人。
ナフテージ・ジョハール
伝統と現代を自由に横断するダンサー、振付家。バラタナティアム、ヨガ、フィジカルシアターといった複数の身体言語を作品に用いて、階級やジェンダーや文化の問題内におけるエロティシズムのありかを突き止めようとしている。これまでCharles Wallace FellowshipとTimes Of India Fellowshipのフェローの経験があり、現在はベルリン自由大学国際研究センターのインターウィービングパフォーマンスカルチャーズ・フェロー。また、アショカ大学(インド)の教員も務めている。そしてヨガ、ダンスシアター、アーバンアクティビズム、野良動物の保護のためのNPOであるStudio Abhyas(ニューデリー)の創設者・ディレクターである。
鈴木ユキオ
「YUKIO SUZUKI Projects」代表/振付家・ダンサー。世界40都市を超える地域で活動を展開し、しなやかで繊細に、且つ空間からはみだすような強靭な身体・ダンスは、多くの観客を魅了している。2008年に「トヨタコレオグラフィーアワード」にて「次代を担う振付家賞(グランプリ)」を受賞。2012年フランス・パリ市立劇場「Danse Elargie」では10組のファイナリストに選ばれた。
チェイ・チャンケトヤ
5歳からカンボジア古典舞踊の女役を習いはじめる。これまでワールド・ダンス・アライアンス(WDA)のブリスベン、香港、ニューデリーのコレオグラフィック・ラブズにおいて、世界的に有名なコンテンポラリーダンスの振付家たちと作品をつくってきた。また、ヨーロッパ、米国、そしてアジア各地を広くツアーするEmmanuèle Phuon、ピーター・チン、アルコ・レンツなど作品に主要ダンサーとして参加した。彼女自身、カンボジアで屈指の創造力に富む振付家であり、古典舞踊とコンテンポラリーダンスの両方で多くの作品を創作している。2014年には一部アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の助成を受け、フルブライト奨学生としてUCLAでダンス・振付の修士号を得た。彼女はドイツの振付家アルコ・レンツがカンボジアのダンサーたちとつくった作品『Crack』において中心的ダンサーを務め、この作品は2012年9月にスイスのチューリヒ・シアター・スペクタクルでZKB Patronage Prizeを受賞した。彼女はまた2013年のモー・オースティン舞台芸術賞の受賞者である。現在はアムリタ・パフォーミング・アーツの芸術監督を務めている。
白井剛
1998年「Study of Live works 発条ト(ばねと)」設立。2006年より新たな活動単位である「AbsT」をベースに、ソロ/振付作品の他、音楽家や美術家とのコラボレーション等を行う。バニョレ 国際振付賞(2000)、トヨタ コレオグラフィーアワード次代を 担う振付家賞(2006)、日本ダンスフォーラム賞(2006年およ び2011年)受賞。文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会 推薦作品(2011)選出。2007年から、ダムタイプの藤本隆行ら10 人のアーティストによる『true/本当のこと』に参加し、国内外に てツアーを行う。2009年『blue Lion』、2010年『静物画-still life』を京都で創作初演した。
ヴェヌーリ・ペレラ
スリランカの都市コロンボを拠点とするパフォーマー、振付家、ムーブメント・ファシリテーター。最初はスリランカの伝統舞踊キャンディアンダンスを習うことから始め、1994年から2007年までは有名なChitrasena Vajira Dance Ensembleのメンバーだった。2004年以降は、スリランカ国内、インド、イギリス、ドイツ、日本、スペイン、カンボジア、ミャンマー、シンガポールでコラボレーションプロジェクトに参加。それらのプロジェクトは、ダンス、演劇、映画、ライブアート、マルチメディアアート、サイトスペシフィック・アート、野外演劇、ミュージカル、ダンスセラピー、障害者及び健常者とのダンスなど多岐にわたる。2006年に心理学の修士課程を修了した後、ロンドンにあるコンテンポラリーダンスの一流教育機関ラバンに留学し、2008年にダンス準修士を取得。ラバンではシモーヌ・ミシェル振付賞を受賞した。それからは、ヨーロッパ、南アジア、東アジアのフェスティバルやプラットフォームやシンポジウムでソロダンスの小作品を発表してきた。 彼女はダンス創作に現代的アプローチを試みることでスリランカの文化的背景を表現しようとするスリランカでも数少ないアーティストの一人である。彼女は政治的〈扇動家〉としての身体に興味があり、パフォーマンスが持つ変革の力を信じている。
手塚夏子
ダンサー/振付家
1996 年より、マイムからダンスへと移行しつつ、既成のテクニックではないスタイルの試行錯誤をテーマに活動を続ける。2001 年より自身の体を観察する『私的解剖実験シリーズ』始動。2010年より、国の枠組みを疑って民俗芸能を観察する試みであるAsia Interactive Researchを始動。2013年、関東から福岡県へ活動拠点を移行させる。
花柳大日翠
日本舞踊家。1984年岡山生まれ。人間国宝・花柳寿南海に師事。2002年、花柳流名取となり、翌年、東京藝術大学に入学。卒業後、岡山・東京にて日本舞踊稽古場「Let’s大日翠」を開設、また、日本舞踊家集団「藝○座(ゲイマルザ)」の同人となる。古典舞踊の研鑽を積みつつ、自身の振付作品も発表、作品に『シリーズ家電を踊る〜洗濯機編〜・〜電子レンジ編〜』『東京』『おめでたいそう』など。主な舞台に、オーケストラと日本舞踊公演『ペトルーシュカ』のバレリーナ役で出演、国立劇場主催『明日を担う新進の舞踊・邦楽鑑賞会』出演など。受賞歴に、文部科学大臣奨励賞、福武文化奨励賞、花柳流育成賞など。
伊藤千枝
振付家・演出家・ダンサー・珍しいキノコ舞踊団主宰。1990年、日本大学芸術学部在学中に珍しいキノコ舞踊団を結成。 以降全作品の演出・振付・構成を担当。作品発表のほか、映画、コマーシャル、演劇への振付、出演、他のアーティストとのコラボレーションなど、その活動は多岐にわたる。主な振付作品は、映画『めがね』、NHK Eテレ『ドレミノテレビ』、フジテレビ『be ポンキッキーズ』、テレビ東京『しまじろうのわお!』、CM『アセロラ体操』など。2005年より桜美林大学の非常勤講師を務める。