「Keep PACE with Japan」(日本と足並みを揃える)プロジェクトは、ここ数年間継続してきたPACE V4(中欧舞台芸術 V4)プロジェクトの一環で、中欧V4諸国(スロヴァキア、チェコ、ポーランド、ハンガリー)の現代舞台芸術を紹介することを目的としています。
PACEの主要な目的はV4諸国の舞台芸術を紹介することですが、これら4カ国のカンパニーの作品を制作するだけにとどまらず、レクチャーやドラマリーディング、小規模の音楽イベントなども行っています。これまでに行った4つのプレゼンテーションではさまざまな内容を網羅し、大きな成功を収めてきました。しかし、それで終わったわけではありません。さらに新しい形のプレゼンテーションや共同制作のプロジェクトを継続しています。スロヴァキアからはダンスやフィジカルシアターの代表的なカンパニーやアーティストを紹介し、チェコからは演劇、音楽、ダンス、そしてフィジカルシアターを紹介します。
PACEの目標は日本とヨーロッパとの間の共同制作プロジェクトを実現することによって共通の体験を広め深めること、そして中欧と日本の現代舞台芸術を広く知ってもらうことです。
主催:Theatre Institue Bratislava (Slovakia)、Art and Theatre Institute Praha (Czech Republic)
問合せ:The Art and Theatre Institute Prague info@idu.cz,
The Theatre Institute Bratislava du@thatre.sk
参加アーティスト/プレゼンター
サルカ・オンドリソヴァ
2007年にelledanse – 舞踊演劇学校を設立。スロヴァキアで唯一のコンテンポラリーダンス専門の劇場の芸術監督を務め、中心的な役割を果たし、文字通りダンスのために毎日奔走している。また振付家および共同プロデューサーとして数多くのすぐれた作品を創出。『カンテ・オンド(深い歌)』では最優秀パフォーマンス賞、最優秀演出賞、最優秀音楽賞、そしてスロヴァキア文化省賞を受賞した。
ラドスラヴ・ピヴォヴァルシ
ダンサー、振付家、演出家。ここ5年間に、カッセル国立劇場(ドイツ)、Total Brutal Company、elledanse劇場(スロバキア)、Veronika Riz(ボルツァーノ)、Lenka Vagnerova & Company、VerTeDance Company、Teater Viirusなどヨーロッパ各地のさまざまなダンサー、教師、振付家と恊働。elledanse劇場でダンサー、振付家として活動し、Company elledanseではコンテンポラリー・ダンスのテクニックのワークショップを指導。自身の作品に『TAJ DYCH』(2012)、『SET UP』(2013)がある。
ペトラ・フォマヨヴァ
ブラチスラヴァ舞台芸術アカデミーおよびドイツ・デュッセルドルフのEDDC(欧州ダンス開発センター)で舞踊を学ぶ。また、MAPA(オランダ・舞台芸術ムーヴィング・アカデミー)でもさまざまなコースに参加した。これまでにスロヴァキア国内外で多くの演劇・舞踊のプロジェクトに参加し、外国の演出家や振付家の作品に出演している。2000年以降は自身の振付作品(『Halfmoon Bear』、『Kirin』、『Deep Disorder of Epidemis』、『All I Love』、『Objects of Research』など)を制作。2006年には国際コンテンポラリーダンスフェスティバル「Nu Dance Fest」を創設した。さまざまなアートの領域を横断するコンセプトと、個人的な物語を芸術的、社会的なコンテクストに置き換えて語る特徴的なスタイルを確立している。
ヤクブ・ホラ
人形劇およびアニメーションの分野で制作者、プロデューサー、そして出版の仕事をしている。人形劇に9年間携わった後、アニメーション映画に転向。チェコ最大規模の国際アニメーション映画祭「AniFest」のディレクターを務め、4回にわたってプロデュースした。2013年からは言葉を使わない現代演劇のカンパニー「Alfred Vedvore」に関わっている。2015年よりチェコ屈指の人形劇団「アルファ・シアター・ピルセン」のディレクターに就任する。
ヴィリアム・ドコロマンスキー
プラハの演劇スタジオ「Farm in the Cave」芸術監督。同スタジオの全てのパフォーマンスを創作するほか、数々の国際プロジェクトを推進。定期的にワークショップやレクチャーも行なっている。Farm in the Caveの全プロダクションに作曲、あるいは共同作曲。本人、スタジオともにチェコ内外の数多くの賞を受賞。European Prize for New Theatrical Realitiesを受賞したチェコ唯一の演出家でもある。Farm in the Caveの作品は、設立以来12年に渡って3大陸55都市でチェコを代表する作品として紹介されている。
エヴァ・ケスロヴァ
20世紀を中心とする現代音楽を専門とするベルク・オーケストラの制作ディレクター。ダンスや演劇、美術とのコラボレーションも積極的に行い、劇場やコンサートホール以外の変則的な場所(地下鉄駅建設予定の現場、元下水処理施設、近代美術館など)での上演も企画している。チェコの若い作曲家に新作を定期的に委嘱するほか、国際的に評価の高い作曲家の作品のチェコ初演を行っている。
エリスカ・チェマ
プラハのチャールズ大学でマーケティング・コミュニケーションおよび広告の修士課程を卒業。現在はシェフィールド・ハラム大学で文化政策およびマネージメントの修士課程の卒業を間近に控えている。大学の出版局や非営利団体で仕事をした後、シェフィールドのいくつかのギャラリー(バンク・ストリート・アーツ、シェフィールド美術館)で仕事をする。現在はプラハの芸術劇場インスティテュートで広報を担当している。
パヴラ・ペトロヴァ
経済・経営学を学んだ後、大規模の文化センターや各種プロジェクトに長年従事。1992年以降はチェコ共和国文化省で、特に芸術および図書館部のディレクターを務めている。並行して2001年には国際ニューダンス・フェスティバル「CONFRONTATIONS」、2002年にはCEDP(中央ヨーロッパ・団ス・プラットホーム)のプロデューサーを務めた。2008年以降はプラハの芸術劇場インスティテュートのディレクター、そして世界最大級のイベントであり展示会であるプラハ・クワドレニアーレ「パフォーマンスデザイン&スペース展」のディレクターを務めている。文化政策およびアーティスト交流を目的とするさまざまな専門家会議などに名を連ねている。