国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013年2月9日 [土] - 17日 [日] 

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大平勝弘ディレクション

大平勝弘大平勝弘
STスポット 館長
1971年大阪府生まれ。多摩美術大学卒業後、大学助手、専門学校講師を経て、2006年より「STスポット」勤務、「急な坂スタジオ」立ち上げに参画、その後2008年よりSTスポット館長。コンテンポラリーダンスを中心に公演企画、及び若手アーティストの育成、観客創造のためのワークショップ構築に従事。また近年はアーティスト・イン・レジデンスなどの国際交流事業も手がける。


本プログラムでは表現における界面と共有をテーマとし、今、舞台に何を持ち込むか、何を他者と共有できるかということを軸に、パフォーミングアートの可能性を探ります。観客と表現者が目前にある身体や行為を凝視することによって得られる想像力を拮抗させ、私たちがいま抱えている欠落感をあらわにすると同時に、イメージの連鎖によるあらたな風景を喚起させます。また、社会と個人、生と死、言葉と身体など、その異なる事物の間にある世界を舞台上で展開させることによって、それぞれ表現者としての世界観を提示できればと考えています。今回、ご紹介させていただくアーティストはそれぞれ異なる視野を持ち、観客との対話を通じて現代に活きる者のコミュニケーションのあるべき姿を提案します。

Katsuhiro OhiraKatsuhiro Ohira
Director, ST Spot
Born in Osaka in 1971. After graduating from Tama Art University and working at a university and professional school, he started working at ST Spot in 2006 and took part in the establishment of Steep Slope Studio. He has been the director of ST Spot since 2008, focusing on contemporary dance and engaging in productions, support for young artists and organization of workshops for audience development. He recently organizes international exchange projects including artist-in-residence as well.


This program explores the possibility of performing arts with “interface and commonage in expression” as the theme and with a focus on what to bring onto the stage and what we can share with Other now. We intend to create tension between the imaginations of the audience and artists, who stare at the bodies in front of themselves, to expose the loss we feel now and to induce a new perspective through a series of images. I would also hope that we will be able to present each artist’s worldview by bringing the worlds that exist between different elements such as society and individuals, life and death or words and bodies. Each of the artists I would like to introduce in this program has a unique point of view and proposes the ways communication between those who live in the present should be through dialogues with audience.

大橋可也

『WAGASHI』(2012)
Photo: GO

 

WAGASHI — my master, my words, my death, my will

 

2月15日(金)19:00 | 16日(土)14:00
15日は上演後にディレクターズ・トークあり
KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>
入場にはTPAMパスが必要です

村川拓也『ツァイトゲーバー』と連続上演
*大橋可也、村川拓也の順番で上演します

 


2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故を境に帰る場所を失ってしまった人々のやるせない日常を3人の男性ダンサー「ダンシーズ」による舞踏の方法論に基づいたユーモアあふれる振付によって描いた作品。若者たちの焦燥感と望郷の思いを夏が終わろうとする海岸を背景に、夏を題材としたポップミュージックとお伽話『浦島太郎』を取り入れ映し出した、現代日本社会の状況を象徴する作品である。


 

英語字幕あり

出演:ダンシーズ(皆木正純、山田歩、唐鎌将仁)
振付:大橋可也
映像:石塚俊

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局


Photo: GO

大橋可也
振付家、前衛的ダンスカンパニー「大橋可也&ダンサーズ」主宰。土方巽直系の舞踏振付法を基に現代社会の身体性を追究している。「ランコントル・コレグラフィック・アンテルナショナル・ドゥ・セーヌ・サン・ドニ 2000年 ヨコハマプラットフォーム」、「トヨタコレオグラフィーアワード2004」に出場。2005年、「The Kitchen」(NY)に招聘される。2007年から2009年までセゾン文化財団の助成対象となる。2010年、ドイツ、ポーランド3都市を巡演。2013年7月に新作『グラン・ヴァカンス』を上演予定。

村川拓也

『ツァイトゲーバー』(2012)
Photo: Hideto Maezawa

 

ツァイトゲーバー

 

2月15日(金)19:00 | 16日(土)14:00
15日は上演後にディレクターズ・トークあり
KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>
入場にはTPAMパスが必要です

大橋可也『WAGASHI—my master, my words, my death, my will』と連続上演
*大橋可也、村川拓也の順番で上演します

 


介護の現場における介護者と被介護者のコミュニケーションの実態をテーマに、ドキュメンタリーの手法を用い、特殊な関係性の中にリアリティの在処と新たな他者像を提示する。また、演劇をフィクションの世界から始めるのではなく、地続きの日常から始め、演技のリアリティの獲得や、俳優自身の抱える問題についての考察、または演劇の時間の概念を押し広げることを試みている。


 

日本語上演・英語字幕あり

演出:村川拓也
出演:工藤修三

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局


 

村川拓也
演出家/映像作家。1982年生まれ。2005年、地点(演出:三浦基)に演出助手として所属。2009年、演出家としての活動を開始するため地点から独立。ドキュメンタリーやフィールドワークの手法を用いた作品を様々な分野で発表。舞台芸術外の分野においても活動の幅を広げる。主な作品に、『移動演劇 宮本常一への旅 地球4周分の歌』(2011)、『ツァイトゲーバー』(2011)、ドキュメンタリー映画『沖へ』(2012)、『言葉』(2012)など。

篠田千明

 

Photo: Tada Hengsapkul

 

ぼ や っ と す るまぬけ

 

2月15日(金)14:00/14:30/15:00/15:30
2月16日(土)11:30/12:00/12:30/13:00
要予約(定員あり)⇒080-4416-4434(10:30–19:00)
受付時間:各回5分前
集合場所:KAAT神奈川芸術劇場2Fチケットセンター付近
TPAMパスで無料
チケット:¥500

*各回鑑賞人数に上限があります(要事前予約)。
*受付順に数名ずつご案内します。
*会場の状況によっては、少々お待ちいただく可能性があります。

 


名付けえぬものは、規格の前にあるものであり、規格からあふれでるものであり、だけど規格との差がなければ、見る事も聞く事も名付けえぬ故に出来ない。気配、共感、幽霊、化け物、悪夢、よくわからない幸福、よくわからない暴力、反射的な不安、反射的な安堵、これら名前で呪う事の出来ないものたちは永遠に正しさから祝福されている。正しさもまた、永遠に名付けえぬものを担保として成立している。


 

演出:篠田千明
メンバー:佐々木文美(快快)、Orawan Arunrak、T・U、Unchalee Anantawat、遠藤豊

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局/TPAM期間中 080-4416-4434

 


Photo: Yumiko Kobayashi

篠田千明
1982年東京生まれ、バンコク在住。演出家/脚本家/イベンター。《快快(faifai)》の中心メンバーとして主に演出と脚本と雰囲気を担当。演劇、ダンス、映像、パーティ、イベント等、既成のジャンルや上演形式に留まらない独自の活動を多彩なフィールドで展開する。2010年『My name is I LOVE YOU』がスイスの国際演劇祭チューリヒ・シアター・スペクタクルにて最優秀賞を受賞。2012年9月に快快を脱退、ソロ活動を始める。