トロイアの女 KAAT神奈川芸術劇場 ホール 2.10 Tue 17:00 ※ 公演終了後、鈴木忠志によるアフタートークを開催します。日英通訳あり。 • つくる人 ¥1,500 […]
「アジアが共有する同時代の演劇」についてどのような認識を持つことができるのか。私たちはまだまとまった経験を持っていません。今回の3つの作品は、この大きな問いに向かって、2つの側面から、それぞれの糸口を差し出すものと考えています。
グローバルな資本主義と情報社会を背景として、アジア地域はそれなりに共通した前提をもつこととなりました。社会の成熟と個人の自立をめぐる『ヒッキー・カンクーントルネード』と『幼女X』は、そうしたアジアの「現在」の共有に手を伸ばすものといえます。
一方で、「現在」の共通性が高まるほど、アジアの文化的多様性/各地域の異なる伝統を、その多様性において共有することの重要性が高まっていくに違いありません。「現在」を含みつつもイコールでは結べない「同時代性」をより根本から捉えようとするとき、ギリシア時代と現代の戦争の記憶を重ね、日本の文化的背景が引き継いできた資源を同時代へと交差させるSCOT『トロイアの女』ほど、相応しいものはないと考えました。