幼女X(日本‐タイ共同制作版)
2013年初演。画面 – 文字でのコミュニケーションを舞台表現に日常的な温度でおさめ、震災後の社会の空気感を染み込ませた作品。2014年2月TPAMで上演後、マレーシア、タイでの日本語版上演及び各国との共同制作に発展し、アジアのコラボレーションのスピード感を表面化させることとなりました。今回はタイとの共同制作版の上演。本作は、2015年5月にタイでの公演も内定しています。
原作:山本卓卓(範宙遊泳)
演出:タナポン・ウィルンハグン(Democrazy Theatre)、山本卓卓(範宙遊泳)
出演:ティラワット・ムルウィライ(B-floor Theatre)、ピーラポン・キッルアンピロムスック(Democrazy Theatre)
原作英訳:寺田ゆい
通訳:シリー・リュウパイブーン、鈴木香穂、近藤勇一、鈴木なお
舞台監督:藤江理沙
音響:ガモンパット・ピムサーン
衣装:ニシャー・ブーラナサムソット
照明:パウィニー・サマッカブット
制作:坂本もも(範宙遊泳)、パウィニー・サマッカブット(Democrazy Theatre)
デモクレイジーは、芸術を愛するアーティスト達により運営されるオルタナティブ・アートスペースであり、演劇・舞台芸術・美術・映画・音楽・文学・人・人生を愛する全ての人のためのものである。2008年に創設された劇場は、バンコクの中心部にあり、年間8~10公演を主催する。
デモクレイジーは、作品の制作も行っており、アートスペースというだけでなく、演劇に関わるアーティスト集団の名称でもある。一般社会に演劇を広めること、アーティストの定期的な制作活動を支援すること、そして若く才能のあるアーティストを紹介し、彼らのデビューを支援していくことを活動の柱としている。2015年には、デモクレイジーが制作した3作品(『Hipster The King』『I’m Thai』『Virginian』)がドイツの演劇祭に招かれることが決定している。
作家、振付家、演出家、ダンサー。「Democrazy Theatre Studio」共同芸術監督。
タマサート大学で映画・写真学の学位取得後、ダンスと舞台芸術に関わり始め、特にダンスについての知見を深める。2007年には、福原哲郎のもとでの舞踏の研究のために東京に滞在。韓国ASEANフェローシップ(2005)、東京スペースダンス(2007)、ジョン・F・ケネディーセンターが主催するモダンダンスプログラム(2010)など数多くの国際的舞台作品/研究活動に、ダンサー及び演出家として参加している。
タナポンは、継続して、(社会権力などに対しての)破壊的なダンス作品を制作・演出し、現代社会におけるダンス芸術の役割や概念化という自身の関心を追及している。
2013年には、『TRANSACTION』でタイ演劇批評家協会より最優秀演出賞を受賞。2015年には、著名人に対しての人々の熱狂を観察するプロセスを演出したコンテンポラリー・ダンス作品『Hipster The King』がドイツの演劇祭に招かれることが決定している。
2007年より東京を拠点に活動する演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。
現実と物語の境界をみつめ、その行き来と、そのあり方そのものを問い直す批評性の強い作風が特徴。近年は投影した文字や図など2次元の要素と3次元の俳優を有機的に組み合わせた“生命”や“存在”への独自のアプローチが注目を集め、“2.5次元の演劇”と評判を呼んでいる。
『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 Best Original Script(最優秀脚本賞)とBest Play(最優秀作品賞)を受賞。