私たちにとっての「公共圏(パブリック・スフィア)」を問う — アジアの舞台芸術の最前線から
韓国の光州、シンガポール、香港の九龍、オリンピック招致が決まった東京など、アジア各地で舞台芸術を含む大型のアート・プロジェクトが始動しています。「パブリック」と「プライベート」の境界が曖昧になってきている今、これらアート・プロジェクトの理念、企画、構造はどのような「公共圏」を形成しようとしているのでしょうか。今アジアで最も注目されている最先端の舞台芸術のプログラム・ディレクターたちに彼らの活動とヴィジョンを紹介していただきつつ、世界共通のテーマとしての、私たちにとっての「公共圏」を考えます。
スピーカー
キム・ソンヒ(アジアン・アーツ・シアター 芸術監督)
現在、アジアン・カルチャー・コンプレックス内アジアン・アーツ・シアター芸術監督。ジャンル横断的国際芸術祭「フェスティバル・ボム」設立者/ディレクター(2008–2013)、ナム・ジュン・パイク・アート・センター「Inaugural Festival」での「Station 2」芸術監督(2008)、MODAFE(国際現代舞踊祭、ソウル、2001–2005)オーガナイザー/ディレクターなどを歴任。
オン・ケンセン(シンガポール国際芸術祭 ディレクター/TheatreWorks 芸術監督)
アジアの多様な芸術様式の発展と、現代芸術におけるそれら様式のトランスグローバル化に多大な貢献をしている革新的な演出家。作品は世界中の都市で上演され、現在、Spoleto Festivalで初演されるマイケル・ナイマンによるオペラ『Facing Goya』の演出に取り組んでいる。1994年に「Flying Circus Project」を構想。アジアのアーティストや知識人、各国の様々なジャンルのアーティストによる混成的ラボとして、最近では2013年にミャンマーで実施されている。また、小規模の助成金を通してアジアでのコラボレーション事業を支援するArts Network Asiaの設立者でもある。DasArts、UCLA、アムステルダム大学、シンガポール国立大学など多くの大学で教鞭を取る。2010年にはアジアのコンテンポラリー・パフォーマンスにおける業績に対して福岡アジア文化賞芸術・文化賞が贈られた。2013年5月、新生シンガポール国際芸術祭(Singapore International Festival of Arts、旧Singapore Arts Festival)のディレクターに任命。