国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013年2月9日 [土] - 17日 [日] 

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小倉由佳子ディレクション

小倉由佳子小倉由佳子
アイホール(伊丹市立演劇ホール)ディレクター
1976年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。2001年から2006年6月まで、アイホール(伊丹市立演劇ホール)ダンス担当者として勤務。退職後、フリーランスの舞台制作者として、ダンスを中心に、演劇、音楽も含め、さまざまな公演、イベントに関わる。2008年より、アイホールディレクターとなり、同劇場の主にダンスプログラムの公演、ワークショップを企画制作している。2010年からKYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)制作スタッフ。


舞台芸術に、もっとさまざまな人材や方法論等を持ち込み、「雑食化による恊働」を促すことはできないだろうか。情報の持ち寄り、議論を交わすこと、他者の介在により、新たな観点や価値観、言説が生まれること。「自分の表現」といったことから自由で、スタイルの確立を目指すのではなく、いかに人間のそれぞれ/空間のそれぞれから発想することができるか。本プログラムで紹介するアーティストは、各々「美術」「ダンス」「演劇」という既存のジャンルを消化しつつ、ユニークなアプローチで創作を重ね、ドキュメントとフィクションの交差、観客に「引っかかり」を残すための有効な構成・編集のあり方を模索しています。そんな彼らの試行によって、常に更新が求められる舞台芸術に、雑食たる多種多様の材料、ツールが持ち込まれ、撹拌する場になればと思います。

Yukako OguraYukako Ogura
Director, AI.HALL / Itami Culture Foundation
Born in Hyogo in 1976. Graduated from Kobe College. From 2001 to June 2006, she worked for the AI.HALL in Itami City, Hyogo, and was responsible for the dance programs. She became a freelance performing arts presenter in 2006 and engaged in various performances and events mainly of dance but also including theatre and music. She became a director of AI.HALL in 2008, and has been planning and producing mainly the dance programs and workshops. A staff member of KYOTO EXPERIMENT since 2010.


Is it possible to stimulate “omnivore collaboration” by bringing even more diverse manpower and methodologies into performing arts? Creation of new viewpoints, values and discourses through information gathering, discussions and intervention by Other: how can we draw ideas from each human and each space, being free from “self-expression” and establishment of styles? The artists that I would like to introduce in this program have digested existing genres such as “fine art” “dance” or “theatre” and create through unique artistic approaches, exploring the intersection of documents and fictions as well as effective structures and compositions in order to leave “a sense of incongruity” in audience. I hope their tryouts will make this program a place for bringing omnivore and diverse materials and tools into the domain of performing arts to stir it up, since it needs to continuously renew itself.

ナデガタ インスタント パーティー
[中崎透 + 山城大督 + 野田智子]

『24 OUR TELEVISION』(2010)
Photo: Nadegata Instant Party

 

エキストラ・カーテンコール

 

2月17日(日)17:00
KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
TPAMパスでチケット不要
チケット:前売(チケットかながわ)・当日 ¥2,000
*12枚限定「観客」特等席:¥5,000(抽選・2月10日応募締切)
*エキストラ参加:無料(選考なし・2月15日締切・開演4時間前集合)⇒詳細情報・応募フォーム

 


ナデガタ インスタント パーティーの作品は、見知らぬ者同士が協同する場を立ち上げ、新たな関係性を生み、既存の枠組みを転倒させます。今回の『エキストラ・カーテンコール』は、1,200席の劇場で<演劇『かちかち山~Win Win Mountain~』をたった12名の観客のために上演する>という試みです。ただし、この演劇は500名の「エキストラ」がいないと成立しません。ナデガタによるライブ演出で、刻一刻と舞台が作られていきます。12人の「観客」と数人の「役者」そして500人の「エキストラ」。この3者によって成立する「劇場」を解体するための<“観客席” 参加型演劇>。さて、本当の主役はいったい誰なのでしょう?


 

特設Facebookページ

日本語上演・英語対応あり

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局
エキストラ募集についての問合せ:ナデガタ インスタント パーティー

 


Photo: Masako Naito

ナデガタ インスタント パーティー(中崎透 + 山城大督 + 野田智子)
アーティスト中崎透(1976年、茨城県生)と山城大督(1983年、大阪府生)、アートマネージメントに携わる野田智子(1983年、岐阜県生)の3人によるアーティスト・ユニット。2006年に結成、活動開始。プロジェクトを実施する場所や状況に応じて最適な「口実」を立ち上げることから作品制作を始めている。インスタレーション、イベントなどに様々な人々を巻き込み、「口実」によって「現実」が変わっていくプロセスそのものが彼らの作品行為である。

きたまり/KIKIKIKIKIKI

『生まれてはみたものの』(2010)
Photo: Ayako Abe

 

戯舞

 

2月15日(金)16:30 | 16日(土)17:00
KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>
16日は上演後にディレクターズ・トークあり
入場にはTPAMパスが必要です

劇団子供鉅人『Where is crocodile?』と連続上演
*きたまり/KIKIKIKIKIKI、劇団子供鉅人の順番で上演します

 


きたまりは、アイホールとの共同製作事業 “Take a chance project” において、3年間かけて4つの新作、挑戦的なカンパニー作品を創作してきました。いわゆるダンサーらしくないキャラクターを好んで起用し、そのダンスはさながら鳥獣戯画のようと評されることもあります。今回は、その企画のなかで製作した作品を再創作します。日本の民俗芸能(念仏踊りや神楽等)から着想を得て、「現代の民俗芸能」を模索した舞台。


 

英語上演・字幕なし

構成・演出・振付: きたまり
出演:大庭裕介、木下出、小坂浩之、御厨亮

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局


Photo: Yujiro Sagami

きたまり
1983年生まれ。2003年ダンスカンパニー「KIKIKIKIKIKI」を主宰。以後、演出・振付・ダンサーとして作品を手がける。これまでに「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2008」にて振付作品『サカリバ007』でオーディエンス賞受賞。「横浜ソロ+デュオ〈Competition〉+」にてソロダンス『女生徒』で未来にはばたく横浜賞受賞。身体のもつ面白さを幅広い層に提案するために、作品上演だけでなく、プロデュース公演やイベントも多数企画している。

劇団子供鉅人

『Where is crocodile?』(2012)
Photo: Yu Taniguchi

 

Where is crocodile?

 

2月15日(金)16:30 | 16日(土)17:00
KAAT神奈川芸術劇場<小スタジオ>
16日は上演後にディレクターズ・トークあり
入場にはTPAMパスが必要です

きたまり/KIKIKIKIKIKI『戯舞』と連続上演
*きたまり/KIKIKIKIKIKI、劇団子供鉅人の順番で上演します

 


ひとり孤独に暮らす男が、「Do you need love?」と尋ねる不思議な電話によりワニを探し求める物語。6人の俳優とミュージシャンで演じられ、白線2本のみの舞台が俳優たちの体によって様々なシチュエーションにモーフィングしていく。コミカルな展開のなかにも、愛に対する希望や絶望、人間の生きる哀しみが盛り込まれたイメージ豊かな作品。


 

英語上演・字幕なし

作・演出: 益山貴司
出演:キキ花香、影山徹、益山寛司、億なつき、小中太、益山貴司、石原雄治(ドラム/feat.ツタンtheカーメンズ、寝屋川ジャム)

主催:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013 実行委員会
問合せ:国際舞台芸術ミーティング in 横浜 事務局


Photo: Yu Taniguchi

劇団子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に大阪で結成。様々な方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。演劇のダイナミズムに寄り添いながら、夢や恐怖をモチーフに奔放に広がる幻視的イメージを自由自在に舞台に紡ぎ上げる。また、過去3回に渡りヨーロッパツアーを行う。2012年、lille3000(フランス)に参加。