セミナー
舞台芸術の「公共性」と「国際性」をめぐって
舞台を含む芸術の環境が過渡期を迎えているのは日本だけではありません。舞台芸術がこの社会と世界において果たすべき役割について、第一線で活躍する日本および海外の演劇人やフェスティバル・ディレクターらとともに考え、国内外の関係者が直接出会う場として14年に渡り開催してきた本見本市が舞台芸術の「マーケット」、さらには「プラットフォーム」として今後どのような役割を担うべきか、3つのセッションでその可能性を探ります。
★3 月1 日(月)セミナー 特別料金★
下記、「平田オリザvs 岡田利規 対談 vol. 1」と「芸術見本市のこれから」のみは、TPAM のパスをご購入いただかなくても、
2 セミナーセット参加料 1,000 円でご参加になれます(事前申込み不要)。
当日、東京芸術劇場5階の会場受付へ直接お越しください。
尚、入場はTPAMパスをお持ちの方を優先いたしますので、ご了承ください。
●3月1日[月]10:00~12:00/東京芸術劇場 大会議室
平田オリザvs 岡田利規 連続対談 vol. 1
私たちは何を成し遂げ、どこに向かっているのか― 真の公共劇場とは何か?
●3月2日[火]10:00~12:00/東京芸術劇場 中会議室
平田オリザvs 岡田利規 連続対談 vol. 2
私たちは何を成し遂げ、どこに向かっているのか― ジャパネスクから遠く離れて
スピーカー:
平田オリザ[青年団主宰・劇作家・演出家・大阪大学大学院教授]
岡田利規[チェルフィッチュ主宰・演劇作家・小説家]
モデレーター:丸岡ひろみ[東京芸術見本市 事務局長]
●3月1日[月]13:30~15:30/東京芸術劇場 大会議室
パネル・ディスカッション:
芸術見本市のこれから― 国際的な「主客」を超えるプラットフォームの設立にむけて
スピーカー:
マリー・アン・ドゥヴリーク[IETM事務局長]
フリー・レイセン[Theater der Welt 2010 キュレーター]
タン・フクエン[ドラマトゥルク/ディレクター]
塩谷陽子[ジャパン・ソサエティNY芸術監督]
モデレーター:曽田修司[跡見学園女子大学教授/国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター事務局長]
●HIRATA Oriza
1962年東京生まれ。大学在学中に劇団「青年団」を結成。卒業後は、こまばアゴラ劇場を拠点に活動し「現代口語演劇理論」を確立する。1995年『東京ノート』で岸田國士戯曲賞受賞。フランスを中心に世界各国で作品が上演・出版されている。近年はコミュニケーションデザインの教育・研究にも携わり、2002年以降、中学国語教科書に採用された平田のワークショップの方法論に基づき、年間30万人以上の子ども達が教室で演劇を創作するようになっている。2009年10月より内閣官房参与。
◆平田オリザ インタビュー(Performing Arts Network Japan[国際交流基金運営])は
こちらをclick!
●OKADA Toshiki
1973年横浜生まれ。チェルフィッチュとは「自分本位=Selfish」が、明晰に発語されずに幼児語化した造語。2004年『三月の5日間』で岸田國士戯曲賞受賞。07年KUNSTENFESTIVALDESARTSで海外デビュー以降、国際共同製作で『フリータイム』(08年)、『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』(09年)を発表、近年は国内外年間約20都市をツアー。国内公共劇場委嘱作品の演出や戯曲提供も行う。07年にはデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第二回大江健三郎賞受賞。
◆岡田利規 インタビュー(Performing Arts Network Japan[国際交流基金運営])は
こちらをclick!
●Mary Ann DeVLIEG
米国生まれ、ブリュッセル在住。1994年からIETMの事務局長。英国ワーウィック大学でヨーロッパ文化政策修士号取得。パフォーミング・アーツの製作、プレゼン、ディフュージョン、育成、ファンディングを専門とし、カリフォルニア、NY、ロンドン、南西イングランドでカルチュラル・マネージャーとして活動。カルチュラル・マネージメントの教育に従事し、アーティストとアート・マネージャーのためのトレーニング・プログラムを実施。文化政策、ネットワーク、国際的あるいはヨーロッパの文化に関わる問題について教育、アドバイス、講演。アートとアーティストのモビリティへの長年の貢献により、EUが制定した「労働者のモビリティ年(2007年)」の「個人」賞受賞。
◆マリー・アン・ドゥヴリーク インタビュー(Performing Arts Network Japan[国際交流基金運営])は
こちらをclick!
●Frie LEYSEN
ベルギーのフェスティバル製作者であり、現 「テアター・デア・ヴェルト2010」(Theater der Welt 2010)芸術監督。ベルギーでフラマン語圏とフランス語圏コミュニティ間の長年にわたる対立が高まった時期、両者の融和と理解を促進するために急進的な手法でアートを使い、成功させた。1994年にはブリュッセルでアートのジャンルを越境するクンステン・フェスティバル・デザール(Kunstenfestivaldesarts )を立ち上げ、10年以上にわたり大きな成果を上げ、ヨーロッパで最も影響力のある国際的フェスティバルへと発展させた。近年は、文化的リサーチをアラブ世界にフォーカスし、演劇、ダンス、ヴィジュアル・アート、映像、ヴィデオ、音楽のアーティストを紹介する、ジャンルをまたがるフェスティバル「ミーティング・ポイント5」(Meeting Points 5)をキュレーションしている。
◆フリー・レイセン インタビュー(Performing Arts Network Japan[国際交流基金運営])は
こちらをclick!
●Tang FUKUEN
2009年のヴェネチア・ビエンナーレで、ミン・ウォンが奨励賞を受賞したシンガポール館のキュレーションを担当。IETM初のアジアでのミーティング(2004年シンガポール)を共同オーガナイズし、次回のミーティング(ジャカルタ、2010年6月14-17日)をインドネシア・ダンス・フェスティバルの期間中にコーディネートする。ドラマトゥルク、批評家、フェスティバル・オーガナイザーとして、コンテンポラリー・ダンスやパフォーマンスをアジアとヨーロッパを結んで盛り立てている。ロンドン大学でメディア論と文化理論、シンガポール国立大学で文学と演劇を専攻。
●SHIOYA Yoko
東京芸術大学音楽学部楽理科卒。1988年の渡米を機に、活字メディアでの文化欄・芸術コラムの執筆を開始。また、米国社会の芸術支援に関する調査研究を、日本の各種財団・企業・地方行政局等に向けて行うと共に、シンポジウムや学会発表を通じて、日本社会に芸術支援のありかたを問い続けている。97年よりジャパン・ソサエティー(NY)舞台公演部勤務、日本の舞台芸術公演を主催する他、全米ツアーのプロデュース、日米振付家交換レジデンシー、米国アーティストへの新作委嘱、NY市の公立学校へのアウトリーチなど新規事業を立ち上げ、2006年より同ソサエティー芸術監督。著書に『ニューヨーク:芸術家と共存する街』('98・丸善ライブラリー)、共著に『なぜ、企業はメセナをするのか』('00・メセナ協議会)など。
◆塩谷陽子インタビュー(Performing Arts Network Japan[国際交流基金運営])は
こちらをclick!
●SOTA Shuji
東宝株式会社演劇部宣伝プロデューサーを経て、1990年以降、国際舞台芸術交流センターにて、「東京国際舞台芸術フェスティバル」や「芸術見本市(現・東京芸術見本市)」等の運営に従事(~1999年)。2002年より跡見学園女子大学教授。他に、独立行政法人国際交流基金評価に関する有識者委員会委員(2004年度~)などを務める。
●MARUOKA Hiromi
2005年より東京芸術見本市ディレクター。2008年にIETMミーティングを日本で初めて開催。インターナショナル・ショーケース2008ディレクター。2003年に「ポストメインストリーム・パフォーミングアーツ・フェスティバル」(PPAF)を創設し国際プログラムを担当、PME、フォースド・エンターテインメントなどを紹介。またプロデューサーとして2005年、2009年のカンパニー マリー・シュイナール日本ツアーなどを実施。
広がるアウトリーチの可能性~文化・芸術と教育・福祉分野の連携について~
3月3日[水]10:00~12:00/東京芸術劇場 中会議室
コーディネーター:吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長)
パネリスト(五十音順):
苅宿俊文(青山学院大学教授/NPO法人学習環境デザイン工房代表)
近藤良平(コンドルズ主宰/振付家/ダンサー)
桜井里二(社会福祉法人秀峰会 理事長)
津村 卓(財団法人地域創造プロデューサー)
アーティストを地域の学校や福祉施設に派遣してワークショップなどの事業を行う「アウトリーチ」は、文化・芸術を地域に広く普及させるとともに、地域における公立文化施設の役割を拡大させてきました。昨今、こうした取り組みは、文化・芸術の普及にとどまらず、教育や福祉分野における効果も見込まれる取り組みとして、注目を集めています。
本セミナーでは、教育分野・福祉分野と連携したアウトリーチの実例を紹介しながら、これからの文化・芸術の可能性を考えるとともに、その実現に向けたあり方や留意点について考えます。
※当セミナーには、TPAMパスご購入の上、別途セミナーの事前予約が必要です。
お名前、ご所属、ご住所、Tel/Fax番号、e-mailをご記入頂き、e-mailまたはFaxで財団法人地域創造(e-mail:tamaki@jafra.or.jp/Fax03-5573-4060)までお申し込みください(定員に達し次第、締め切ります)。
●YOSHIMOTO Mitsuhiro
1958年徳島県生。早稲田大学大学院(都市計画)修了後、社会工学研究所などを経て1989年からニッセイ基礎研に所属。東京オペラシティや世田谷パブリックシアター等の文化施設開発、東京国際フォーラムアートワーク整備事業などのコンサルタントとして活躍する一方、文化政策や公立文化施設の運営・評価、クリエイティブシティなどの調査研究に取り組む。主な著書に『アート戦略都市』(監修)、『指定管理者制度-文化的公共性を支えるのは誰か』(共著)など。現在、文化庁文化審議会文化政策部会委員、東京芸術文化評議会専門委員、創造都市横浜推進委員会委員長、NPO法人STスポット横浜副理事長など。
●KARIYADO Toshifumi
18年間の小学校教諭を経て、大東文化大学専任講師、多摩美術大学非常勤講師を歴任し、現職。教員をめざす学生やNPO関係に興味のある学生の指導に当たり、教え子たちと設立したNPO学習環境デザイン工房においては、「自分らしさとの出会い」をテーマに、子どもたちの創造的なワークショップや過疎地小規模校への学習支援などを展開している。
●KONDO Ryohei
東京生まれ。南米育ち。主宰するコンドルズでは、国内はもちろんのこと、北米、中南米をはじめ多くの海外公演ツアーもこなす。2004年に第四回朝日舞台芸術賞寺山修司賞受賞。また、テレビやミュージシャンのPVなどの振付家としても活躍。2007年には、野田秀樹演出、NODA・MAPの四人芝居『THE BEE』で役者デビュー。同作品は朝日舞台芸術賞グランプリなど主要演劇賞を制覇。横浜国立大学非常講師も務める。
●SAKURAI Satoji
特別養護老人ホームさくら苑苑長。全国56ヵ所の老人ホームを訪れての調査から、経営感覚が希薄な社会福祉領域の問題点に、新たな福祉の形を生み出せるのではないかと考える。鉄工会社の第一線営業マンとして活躍後、1984年に退職し「さくら苑」を開設。CAPP(動物とのふれあい訪問活動)、療育音楽、語り部、絵手紙、コスメティックセラピー、カラーバードなどのアクティビティ(レクリエーション活動)を取り入れるなど、その発言、活動は多方面から注目されている。
●TSUMURA Takashi
大阪の情報誌プレイガイドジャーナルで企画を担当。'85年大阪ガスの扇町ミュージアムスクエアを企画し、副支配人兼プロデューサーに。'87年より兵庫県伊丹市の伊丹市立演劇ホール(アイホール)チーフプロデューサー。'97年よりびわ湖ホールの演劇部門に関わる。'95年より現在、財団法人地域創造に所属し芸術環境部プロデューサーをつとめる。'00年より北九州芸術劇場に関わり、劇場のハードソフト両面の総プロデュースを手がける。北九州芸術劇場チーフプロデューサー兼館長。
再考・都市と芸術―新たな関係を求めて
3月3日[水]16:00 ~ 18:00 /東京芸術劇場 中会議室
スピーカー:
ジュード・ケリー[サウスバンク・センター芸術監督/
ロンドンオリンピック2012 文化教育委員会最高責任者/メタル代表]
アンディ・フィールド[フォレスト・フリンジ ディレクター]
甲斐 賢治[NPO法人記録と表現とメディアのための組織(remo)代表理事]
金森 香[シアタープロダクツ プロデューサー]
中村 茜[precog代表]
モデレーター:吉本 光宏[ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長]
舞台芸術も含め「芸術」は、時代や場所に対して常に柔軟であろうとしています。新鮮な視点を生む事が可能な芸術は、思わぬ出会いやネットワークを生み、時には既存の場所が美術館や劇場に変貌しさえします。実例を紹介しつつ「都市と芸術」の新しい関係の可能性を探るパネルディスカッションです。
●Jude Kelly OBE
リバプール出身。1976 年よりソレント・ピープルズ・シアター、1980 年よりバタシー・
アーツ・センター芸術監督。1989 年にリーズのウエスト・ヨークシャー・プレイハウス
初代芸術監督に抜擢され、国際的に評価の高い演目により地方、首都、国のバリアをなくし、
劇場の出入り口を統一することで俳優、スタッフ、観客、市民の間のバリアを取り払うな
ど意欲的な取り組みで高い評価を得た。2002 年、分野を超えたアーティストが集まる創
造空間である「メタル」を立ち上げる。2005 年よりテムズ川南岸の複合文化施設、サウ
スバンク・センター芸術監督。2012 年のロンドンオリンピック・パラリンピックでも創
造・文化・教育分野の枠組みづくりを担うほか、英国の文化セクターにおける重職を多数
歴任している。1997 年には演劇や劇場における功績が評価され名誉大英勲章OBE が授
与された。
●Andy FIELD
作家・パフォーマンス制作者・キュレーターとして、サウスバンク・センター、バタシー・アーツ・センター、ICA、グラスゴーのアーチといった場を舞台に、人々の想像を超えた未知なる遭遇を創り出してきた。既存の演劇形態にとらわれないパフォーマンス作品の上演を手がけることで定評のある、アーティスト主導型の芸術団体「フォレスト・フリンジ」の共同ディレクターも務める。また、作家・コメンテーターとして、英国のガーディアンで演劇に関するブログも掲載するほか、自身のサイトでも様々な意見を発信している。
blogs.guardian.co.uk/arts/author/andy_field/ www.lookingforastronauts.wordpress.com
●KAI Kenji
NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 / remo、NPO法人 地域文化に関する情報とプロジェクト / recip,NPO法人 アートNPOリンク各理事。職業として、主に文化政策における情報デザイン、企画、マネジメント、オーガナイズを行う。remoでは、"個人がメディアを活用し、自らの為の環境を作り出す力の創出"を、recipでは、"地域文化の地産地消サイクルの起動"を目論む。
●KANAMORI Kao
1974生まれ。出版社リトルモア勤務をへて、01年にファッションブランド「シアタープロダクツ」を設立、現取締役。「ファッションがあれば世界は劇場になる」というコンセプトのもと、アパレルメーカーの経営を行いながら、一般に向けたファッションショーやイベント、ワークショップなどを企画する。同ワークショップは国際交流基金主催の展覧会の一環でインドネシアやアイスランドに巡回し、現在京都造形芸術大学の授業プログラムとなっている。また平行して音楽家の本田祐也(チャンチキトルネエド)や阿部海太郎のCDアルバムをプロデュースし、レーベル「シアタームジカ」を運営。09年には那須の芸術祭「スペクタクル・イン・ザ・ファーム」をスタートさせる。10年よりNPO法人ドリフターズ・インターナショナル理事としても活動を始める。
●NAKAMURA Akane
株式会社precog(プリコグ)代表。日本における身体表現の新しい輪郭の開拓を目指すプロダクションとして2003年に設立。岡田利規/チェルフィッチュをはじめ、康本雅子、矢内原美邦/ニブロールなどの国内外でのマネージメントを行う。また、吾妻橋ダンスクロッシング、スペクタクル・イン・ザ・ファーム那須などを推進するほか、横浜トリエンナーレ、国立国際美術館、世田谷パブリックシアター、森美術館などと連携した公演を企画制作。2008年までNPO法人STスポット横浜のプログラムディレクター、2010年にNPO法人ドリフターズ・インターナショナルを設立。
●YOSHIMOTO Mitsuhiro
1958年徳島県生。早稲田大学大学院(都市計画)修了後、社会工学研究所などを経て1989年からニッセイ基礎研に所属。東京オペラシティや世田谷パブリックシアター等の文化施設開発、東京国際フォーラムアートワーク整備事業などのコンサルタントとして活躍する一方、文化政策や公立文化施設の運営・評価、クリエイティブシティなどの調査研究に取り組む。主な著書に『アート戦略都市』(監修)、『指定管理者制度-文化的公共性を支えるのは誰か』(共著)など。現在、文化庁文化審議会文化政策部会委員、東京芸術文化評議会専門委員、創造都市横浜推進委員会委員長、NPO法人STスポット横浜副理事長など。
都市に浸透する「劇場」空間― イギリスの舞台芸術から
3月4日[木]10:00~12:00/東京芸術劇場 大会議室
モデレーター: 住友文彦[キュレーター/NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ]
スピーカー:
タソス・スティーヴンス[コニー ディレクター]
マット・アダムス[ブラスト・セオリー主宰者]
ダンカン・スピークマン[アーティスト]
塚原悠也[contact Gonzoダンサー]
exonemo(エキソニモ)[アーティスト]
経済危機が席巻しているなか、小規模ながらも既存の舞台芸術の枠を超えた上演形態によって優れた作品を輩出しているイギリス。大規模な上演ではなし得なかった演劇やダンスの魅力、そして、「小ささ」が身軽さを呼び、多くの国や地域で人気を呼び、幅広い観客層を獲得しています。同じく新しい技術を駆使して都市空間に介入していく試みを実践している日本のアーティストを交えて、最前線の舞台芸術事情を実演とともに紹介します。
提供・協力:ブリティッシュ・カウンシル
●SUMITOMO Fumihiko
1971年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論コース修了。NTTインターコミュニケーション・センター、東京都現代美術館などに学芸員として勤務。'04年には日中韓の若手アーティストを紹介する「アウト・ザ・ウィンドウ展」、「アート・ミーツ・メディア:知覚の冒険」展などを企画。'07年に中国を巡回した「美麗新世界展」などで、日本の現代美術を海外へ紹介する企画にも関わる。'09年、ヨコハマ国際映像祭ディレクターを務める。おもな共著に「複雑で便利な時代と見えなくなるアート」(『21世紀における芸術の役割』未来社・'06年)、『キュレーターになる!』(フィルムアート社・'09年)がある。
●Tassos STEVENS
心理学の博士号を修め、劇場のディレクターやプロデューサーとして活躍後、アートのジャンルを超えた参加者主導型のインタラクティブな作品を手がける「コニー」の共同ディレクターを務める。現在は、十代の若者と双方向のブロードキャスティングの関係性についての調査をはじめ、iPhone向けゲームのデザイン、公共スペースを舞台にした地域住民に向けたプロジェクトなど幅広い分野で活躍。最近英国で開催されたアートの今後とテーマにした大きなシンポジウムでもスピーカーとして登壇、その発言は多方面から注目を集めている。
●Matt ADAMS
1991年にブラスト・セオリーを創設。ブラスト・セオリーは新しい技術をパフォーマンスの中に取り入れた先駆け的なアーティストとして高く評価されている。英国で優れた映像作品に授与されるBAFTAのインタラクティブ部門に4回ノミネートされ、アルスエレクトロニカでも金賞を受賞。
マット・アダムスはテート・モダンやICAなどでもキュレーションを手がけ、様々な大学で講義を行っている。現在英国エクセター大学の名誉フェロー、セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで客員教授を務める。近年の作品として「ライダー・スポーク」を発表するほか、2009年のヴェネツィア・ビエンナーレにも出展した。
www.blasttheory.co.uk/
●Duncan SPEAKMAN
英国ブリストルを拠点とするアーティスト。個人的・社会的環境における人々の音との関わりを主なテーマとして探求。自身の作品の中にも音を効果的に取り入れ、公共スペースで人々が身体的に感情的に関わりあえるような環境や体験を生み出している。現在は場に反応する作品や、ストリート・ゲーム、演劇パフォーマンスなどを手がけ、ISEAやフューチャーソニックなど英国内外のフェスティバルに参加、活躍の幅を広げている。2008年からはブリストルのパーベイシブ・メディア・スタジオでレジデンスを行っている。
●TSUKAHARA Yuya
1979年生まれ。2006年より友人たちと公園で厳かに殴り合い、また高いところから飛び降りたりする過程で「contact Gonzo」を開発し、そのメソッドを元に即時的、トラッシュ的に都市と人と関わる。これまで南京トリエンナーレ、プラットーフォーム・ソウル、横浜国際映像祭、HARAJUKU PERFORMANCE+、吾妻橋ダンスクロッシングなどに参加。2010年は六本木クロッシングにも参加。関西学院大学文学部美学専攻修士課程修了。NPO法人ダンスボックス運営スタッフ。金粉ユニット・新世界ゴールデンファイナンス切り込み隊長。
●exonemo
千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニット。1996年より、デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら活動。テクノロジーとユーザーの関係性を露にし、デジタル・メディアが現代社会へ与えるインパクトについて、ユーモアのある切り口と新しい視点で数多くの実験的プロジェクトを手がけている。2006年、アルス・エレクトロニカ(オーストリア)ネット・ヴィジョン部門でゴールデン・ニカ賞受賞。活動の拠点は東京とexonemo.com。