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アジアのプレゼンターが集まり、同時代の舞台芸術制作に不可欠な状況分析と迅速な情報交換をアジア地域で効率化・活性化し、世界に開かれた制作者ネットワークを構築することへ向けての国際会議です。
昨年のIETM@TPAMに引き続き、アジア諸国・地域で活躍する制作者を招いて、既存の成熟した欧米のネットワークの存在意義、「制作者」という概念のアジアにおける浸透度、「同時代性」の意味の地域や社会による差異などを分析し、舞台芸術の交流や共同作業の可能性の拡大・質的向上に寄与するネットワーク構築に向けて討論します。
日 程 : |
2009年3月3日[火]・4日[水] |
会 場 : |
日仏会館 (東京都渋谷区恵比寿 3-9-25) |
参 加 料 : |
無 料 |
併設事業 : |
東京芸術見本市2009 (3月4日[水]〜7日[土]) |
助 成 : |
平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業 |
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財団法人セゾン文化財団 |
協 力: |
国際交流基金 |
主 催: |
国際舞台芸術交流センター |
● プログラム
3月3日[火]
13:30-19:00 セッション@ (90分のセクション×3、休憩あり)
地域・分野別に90分のセクション3つに分け、以下のようなトピックで議論します。
・ネットワーク概念の基本的定義の確認
・制作者から見たアジア各国・地域の舞台芸術環境の状況分析、報告
・一連の分析と報告に基づく、アジアにおける舞台芸術制作者ネットワーク設立意義の考察
・質疑応答
3月4日[水]
13:00-15:00 セッションA
一連の討論を踏まえ、ネットワークの組織形態・運営方法・活動方針を提案、全参加者で議論します。
● 参加者
● クスヴォロ・バユ・アジ[テアトル・ガラシ エグゼクティブ・ディレクター、インドネシア]
ジョグジャカルタのスレマン生まれ。テアトル・ガラシの創立メンバーの一人で、現在エグゼクティブ・ディレクター。テアトル・ガラシのほぼすべてのプロダクションを担当する。アーツ・マネージャーとして、インドネシアの様々なダンスと音楽のプロダクションに関わり、アート・マネージメントに関する会議にスピーカーとして出席。2008年3月にワシントンのケネディ・センターのアート・マネージメント国際フェロープログラムに参加。
● アムナ・クスモ [Kelola代表、インドネシア]
インディペンデントのアート・マネージャー、カルチュラル・プログラムのプロデューサーとしてパフォーミング・アーツに長く関わる。インドネシアの伝統的な、またコンテンポラリーのパフォーミング・アーツをプロデュースし、インドネシアだけでなくアジア、アーストラリア、米国、ヨーロッパ、南米をツアー。インドネシアのアート・アドミニストレーター第一世代として、多くの文化的プロジェクトや国際会議にコンサルタントやスピーカーとして参加。1999年に他3人の文化活動家とともに、学習の機会、ファンディングや情報へのアクセスを提供しインドネシアのアートを振興するためのNPO「Kelola」を発足。Kelolaは国内外の組織と協力しながら、インドネシアにおける文化交流を盛んにするため活動している。
● イ・ギュソク [BeSeTo演劇祭実行委員会 理事、韓国]
高麗大学でマス・コミュニケーションを専攻。ソウル・フリンジ・フェスティバル総合ディレクター(1998-2005)、光州ビエンナーレパフォーミング・アーツ担当ディレクター(2004)、韓国文化芸術委員会マルチディシプリナリー・アーツ委員(2006)、コリア・アーツ・マネージメント・サービス代表(2006-2008)などを歴任。リサーチャーとして『文化的パートナーシップのイニシアチブ』(2005)、『韓国アーティストのための社会保障』(2007)などを刊行。
● ウェン・ホィ[生活舞踏工作室 振付家・ダンサー、中国]
北京舞踏学院を1989年に卒業。以来コンテンポラリーダンスの分野で作業。1997年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得てニューヨークでダンスのリサーチと研究を行う。1994年にインディペンデントのカンパニー「生活舞踏工作室」をドキュメンタリー映画作家のウー・ウェンガンとともに設立。以来すべての作品を振付・演出、パフォーマーとして出演もする。2005年、北京初のコンテンポラリーダンスとフィジカルシアターのフェスティバル「交叉」(Crossing Festival)の芸術監督をつとめる。
● クリス・ミラド [演出家・劇作家/フィリピン文化センター副芸術監督、フィリピン]
フィリピン文化センターのダンス、音楽、演劇のプログラムとレジデンス・カンパニーを担当。センター主催のフェスティバルや、国際フェスティバルのキュレーションも多数。演出家・劇作家として、マニラ、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークで作品を上演。ニューヨーク大学でパフォーマンス研究の修士号を取得、国内外の大学で教鞭を取る。PETA(フィリピン教育演劇協会)のカリナンガン・アンサンブル芸術監督、タンハーラン・フィリピーノ(フィリピン国立劇場附属劇団)副芸術監督などを歴任。米国でフィリピン系アメリカ人の劇団設立を主導。ロックフェラー財団からベラージオ(イタリア)でのレジデンシーのための助成を2度受けている。
● ジューン・タン[ファイブ・アーツ・センター、マレーシア]
インペリアル・カレッジ出身の生物学者であり、以前は有毒廃棄物処理、現在は再利用可能エネルギーのプロジェクトに関わる。同時代の問題を検証する実験的作品を作ることに関心を持つ14名の芸術活動家・実践者から成り、次世代の芸術実践家の育成も行なうパフォーミング・アーツ集団「ファイブ・アーツ・センター」に1997年より参加。演劇作品、サイト・スペシフィック・パフォーマンスの舞台監督をつとめ、最近2年間はプロデュースも行っている。ファイブ・アーツ・センターの25周年である今年、この集団の歴史と組織を再検証するため、集団外部の人々との作業をシリーズで行なう。
● タン・フクエン[キュレーター・プロデューサー、シンガポール]
バンコクを拠点とする政府間機関SEAMEO-SPAFA(東南アジア教育省考古学・美術地域センター)にて歴史的遺産と芸術のためのプログラムを展開。2004年、シンガポールで初めてのIETMミーティングを共同開催。コンテンポラリーダンスとパフォーマンスをアジア・ヨーロッパ間で振興するため、ドラマツルグ、批評家、フェスティバルのオーガナイザーとして活動。ロンドン大学でメディアおよび文化理論、シンガポール国立大学で文学と演劇を専攻。近年、2009年度ヴェネツィア・ビエンナーレのシンガポール館キュレーターに任命された。
● チェ・ソクキュ[AsiaNowプロデューサー/チュンチョン国際マイムフェスティバル副芸術監督、韓国]
コンテンポラリーマイム、フィジカルシアター、ヴィジュアルシアター、ストリートシアター、サイト・スペシフィック・パフォーマンスの年次開催フェスティバルであるチュンチョン国際マイムフェスティバルの副芸術監督。ジャンル複合的パフォーマンス・アートのためのレジデンシー・プログラム「Moving Space Project」の賛助人兼プロジェクト・ディレクターでもある。同時代のアジアのフィジカル/ヴィジュアル/サイト・スペシフィック・シアターやコンテンポラリーダンスをサポートしプロデュースする会社「AsiaNow」のディレクター。また、韓国芸術総合大学で国内的・国際的演劇制作とフェスティバル運営について教鞭を取っている。
● チャオ・チュアン[演出家・草台班プロデューサー、中国]
2005年に上海で草台班(Grass Stage)を設立。非職業的演劇人のエネルギーを刺激し「政府公認」という形でない演劇を中国で発展させるため活動している。自身の演劇作品は中国、香港、台湾、韓国、日本で上演されている。外国紙で評論活動もおこない、台湾など海外での文学賞受賞多数。多くの小説、芸術評論、エッセイなどが出版されている。演劇作品としては『魯迅2008』『蹲る』『狂人物語』『38度線遊戯』『便所の顔』などがある。
● ニコン・サータン[8×8 シアター・グループ/バンコク・シアター・ネットワーク、タイ]
タンマサート大学、ジャック・ルコック国際演劇学校で学ぶ。市街のビルに30から40席の劇場「8×8 Corner」を開き、タイのインディペンデント・シアターのパイオニアとなる。8x8 Cornerは他の演劇人の自主公演も活気づけている。2007年には靖国に関する戯曲を書き、日本人の俳優とタイで共同作業。バンコク・シアター・ネットワークのコアメンバー、バンコク・シアター・フェスティバル2006の芸術監督であり、タイ各地の大学の演劇学科で客員教授もつとめる。
● 松井憲太郎[プロデューサー、日本]
1980年より劇団黒テントに所属し、主にプロデューサーとして東京をはじめ日本全国での旅公演を制作。88年からは演劇雑誌等で演劇評論を開始。89年より世田谷パブリックシアターの計画づくりに加わり、97年開館時より学芸事業を統括、演劇作品の企画とともに、ワークショップやレクチャー、出版などの企画も行なう。海外の演劇人との共同作業も多く、アジアやヨーロッパの演出家、振付家らと各種のコラボレーション作品を作ってきた。
● 水野立子[NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)アーティスティック・ディレクター、日本]
1980年から1994年まで、舞踏カンパニー白虎社の舞踏手・制作として活動。1996年より1年間ニューヨークに滞在し、DTW、ムーブメント・リサーチ等の活動を体験。1998年JCDN設立準備室開設に参画以降、現在に至るまで主催事業企画、各コーディネート事業を行う。2005年日本財団APIシニアフェローとして、アジアと日本のダンスネットワーク設立のリサーチを開始。以後「踊りに行くぜ!!」アジア4カ国ツアー(2007年)、インドネシア4都市ツアー(2008年)などを企画・実施する。また近年の企画として、JCDN作品創作シリーズ「DANCE x MUSIC! vol.3」の舞台作品を「ビデオダンス」作品としての製作を手がける。
● ヘリー・ミナルティ[アーツ・マネージャー、インドネシア]
ブリティッシュ・カウンシル・インドネシアでアーツ部門長を務めた後、ダンスの分野でアジア・ヨーロッパ・ダンスフォーラムのキュレーション、アジアン・スカラーシップ・ファウンデーションの助成を得てのコンテンポラリー・ダンスに関するリサーチ(2003年から2004年)など広範に活動している。ジャカルタ・アーツカウンシルのためダンスのプログラムを構成(2006年から2008年)し、東南アジア研究地域交流プログラム(SEASREP)の助成を得て国際会議「アジアのコンテンポラリー・ダンス:言説のマッピング」を2008年に開催。近年ロンドンに滞在し、ローハンプトン大学でダンス研究の博士論文に取り組む一方、フリーランスのアーツ・マネージャーおよびライターとして活動している。
● 丸岡ひろみ[東京芸術見本市事務局長/国際舞台芸術交流センター理事、日本]
2005年より東京芸術見本市ディレクター。2008年にIETMミーティングを日本で初めて開催。インターナショナル・ショーケース2008ディレクター。2003年に「ポストメインストリーム・パフォーミングアーツ・フェスティバル」(PPAF)を創設し国際プログラムを担当、PME、フォースド・エンターテインメントなどを紹介。またプロデューサーとして2005年、2009年のカンパニー マリー・シュイナール日本ツアーなどを実施。今回の舞台芸術制作者ネットワーク会議の総合コーディネーター。